PartⅢ.11『重大インシデント発覚!』

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皆さま、こんにちは。

プロギアで販売促進を担当しているNです。

 

PRGRの新しい直営レッスンスタジオ『PRGR GINZA EX』に通って本気で上達を目指すゴルファーを紹介する(ほぼ)リアルドキュメントブログ、サイエンスフィット日記。

第3部では”競技に挑戦”をテーマに新たなメンバーを迎え、サイエンスフィットで腕を磨き、さまざまな競技にチャレンジしていく模様をレポートしております。特に、企業対抗ゴルフの最高峰『日経カップ・企業対抗ゴルフ2018』に挑戦するプロギアチームの奮闘を中心にお届けしています。

 

プロとアマが同じ土俵で戦うガチの競技。RSカップ第2戦を終え、日経カップ企業対抗ゴルフに向けていよいよ最終調整に入るプロギアチームの各選手。

私も最新記事を書くために、前回レポートした灼熱のRSカップ第2戦の動画資料を整理していると、、、、

 

 

おや!?

 

 

重大インシデント発覚

N 『な、なんてことだ。これは大変だ。ヒヤリハットどころじゃない。重大インシデントだ!!

インシデント(incident):出来事、事件。事故につながりそうな可能性のある無意識なミスなど表す。さらに大きな事故につながりそうなインシデントを重大インシデントと言う。

 

問題の動画がこちら。

RSカップでの日経カップ・プロギアチームS選手の朝イチティーショットです。

 

お気づきだろうか。

 

これならどうでしょう。

 

N 『で、出てないか!?』

 

 

デベソ疑惑

N 『デベソ?』

デベソ(de‐be・so):へそのヘルニア。小さな突起。ゴルフにおいて、ティーマーカーの前端を結ぶ直線の境界線から、ボールが完全に出ている状態のこと。

 

だいたいコンペで1人か2人はやらかして笑いを誘うアレですが、スクラッチ競技ではなかなかお目にかかれません。

現時点ではあくまで疑惑ですので、真相究明するため当日会場に居た選手、ギャラリー、関係者に声を掛け、V.A.R(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の捜索を開始しました。テニス風で言えば”チャレンジ”、野球風で言えば”リクエスト”です。言いようの無い使命感が舞い降りてきて、なんだか燃えてきました。

 

 

そうして捜索開始から2日後、たまたまギャラリーが撮影していたスマホから非常に証拠能力の高い動画を入手しました。

 

D・L・T(デベソ・ライン・テクノロジー)、オン!

 

 

 

アウトですね。

 

 

デベソ問題裁定

さぁ、どうしたものでしょう。判定としては(ほぼ)クロですが、RSカップはすでに成立してしまっており、S選手の順位も確定しております。このままで良いのかどうか。とりあえず、デベソのペナルティについてルールブックを確認してみます。

 

一般的には【誤所からのプレー(競技規則20-7)】と捉えられがちですが、デベソについては【ティーインググラウンド外からのプレー(競技規則11-4)】が適用されるようです。ティーマークを結ぶ直線の境界線をボールが完全に出ていれば、もうそこはプレーエリアではないのです。極端に言えば、カップの5cm手前からティーショットしてカップインして『やった!アルバトロスだ。』って言うのと、やってることは同じということです。

 

そしてティーインググラウンド外からのプレーを行った場合、ストロークプレーにおいては”2打罰を付加しティーインググラウンド内で改めてプレーしなければならない。誤りを訂正せずそのまま続けてプレーした場合、次のホールのティーインググラウンドでストロークをした瞬間競技失格になる”とありますので、結構重大な違反を犯したということになります。

 

S選手、競技失格です。

 

 

この事実をRSカップ競技委員に伝え、S容疑者への裁定を確認しました。

ちなみにRSカップはプロゴルファーが賞金をかけて戦う試合ですので、大会運営、競技委員も普段プロトーナメントの試合を運営している会社に協力をお願いしております。プロの試合を裁くプロに見解をもらったところ、、、

 

 

大会結果に変更なし(S選手のスコア、順位に変更なし)。

という結論となりました。

 

 

本件に関し、本人からの申告、マーカーからの指摘が無く、スコアカードが提出され競技が成立しているので、遡って失格になるということは無い。とのことでした。

とはいえ、このような動画、画像という状況証拠があるなかで、このまま無罪というのは正直いかがなものか(検察側目線)と思っていたところ、このようなルールも存在するようです。

 

【競技規則33-7 競技失格の罰;委員会の自由裁量権】

委員会は、正当な措置と判断したときは、例外的な事例に限って、個々に、競技失格の罰を免除したり修正することができ、また逆に、競技失格とする規則がなくても競技失格の罰を課すこともできる。

要は、競技失格かどうかについては競技委員会の裁量に任せられるというものです。

 

別名ハリントンルールといわれているこのルール。ある大会で優勝争いをしていたメジャー3勝のパドレイグ・ハリントン選手のボールが、グリーン上でほんのわずかに動いたとテレビ観戦していた視聴者から指摘があり、競技委員会がビデオで確認したところ確かにディンプル1.5個分ほど動いていたので委員会はハリントン選手を失格とした。ちなみにスコアカードの提出がおこなわれプレーが完了した後の失格であり、ハリントン選手、同伴競技使者もボールが動いたことに気付いてなかった。

この時、ハリントン選手擁護の声が高まり、テレビ中継される上位選手、有名選手とそれ以外の選手との間に不公平があるとの意見から、今後はテレビ視聴者からの指摘は受け付けず、あくまでも競技委員会の裁定を重んじる。というルールをR&AとUSGAが作り上げたのです。

 

たしかに我々テレビ視聴者は、野球でもサッカーでも”入ってるホームランだ!””いまの反則だろ、レフリーPKとれよ!”と生ビール片手に盛り上がるのですが、その意見で結果が覆ることはありません。それで覆ってしまったら阪神は2015年にクライマックスシリーズに進出できませんでした(阪神ファン目線)。ゴルフだけですね、視聴者の声が判定に反映されていたのは。

 

ということで、今回のデベソ騒動においてもハリントンルールが適用され、S選手の競技結果に変更は無し。となります。

 

 

容疑者の反省と全世界のゴルファーへの啓蒙

と、一応結幕を迎えたものの、ちょっと釈然としない(やじうまギャラリー目線)ので、S選手にデベソ事件の通告とコメントを求めました。

 

日経カップに向け、日々練習を続けるS選手。大会で結果を残すため、今日もゴルフ場で練習ラウンドをおこなっていました。

N 『Sさん、お疲れ様です。調子はどうですか?ところで、先日のRSカップでこんな疑惑がわきあがっているのですが、、、』

S選手 『何だよ、いちゃもんつけんなよ~(笑)』

 

 

 

―動画確認中―

 

 

 

S選手 『!』

S選手 『・・・。』

S選手 『わざとではありません。。。』

 

 

オチました。

 

S選手の供述によると、

すごくショックである。

まったく自覚は無かった。

同伴競技者、キャディさんからの指摘も無かった。

ティーアップする際に体が硬いので自然と目標より遠くにティーを挿してしまったのかもしれない。

競技のスタートホールで緊張しすぎて、確認もできていなかった。

とのことです。

 

競技委員会に確認し結果に変更が無いことは伝えましたが、本人は反省しきりです。

日常よく目にするデベソがここまで真剣に取り沙汰され、そして犯人が追いこまれたことがあったでしょうか!

デベソは重大なルール違反です。このように心に傷を負い苦しむ人をひとりでも無くすため、デベソ撲滅のため本件を当ブログにアップし、全世界のゴルファーへ啓蒙していきたいと思います。

ラウンドやコンペなどでデベソをしている人を見つけたら、やさしく指摘してあげましょう。それが本人のためなのです。デベソを指摘されて気分を害す人がいるかもしれませんが、その時はS選手の反省GIF動画を見せてあげてください。

 

N 『Sさん、ちなみにこのデベソ事件、ブログにアップしてもいいですか!?(ブログ管理者目線)』

S選手 『おまえ、それは絶対勘弁してくれよ。。。こんなのアップされたら、社内だけでなく、社外の人にも何言われるかわかんないし、筑波カントリーに行けないよ。頼むよ~(泣く)。』

 

 

次回に続く。

 

追伸:最終的に自らの贖罪とこれ以上同じ苦しみを味わうゴルファーを増やさない。という熱き思いから、ブログ掲載を認めてくれたS選手の寛大な心に深く感謝いたします。

 

 

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