ハンドファーストに打つための正しい腕のローテーションと練習・ドリルを解説

「プロのような分厚い当たりで飛ばしたい」 そう願ってハンドファーストを意識しているのに、逆にボールが捕まらなくなったり、シャンクが出たりして悩んでいませんか？実は、多くのアマチュアゴルファーが「ハンドファースト＝手首を固めて、手元を突き出しながら打つ」と誤解しています。しかし、その意識こそが、フェースが開いて振り遅れてしまう最大の原因です。

ハンドファーストは「固める形」ではなく、「正しい腕のローテーション（回旋）」によって自然に生まれる動きです。 この記事では、PRGR サイエンス・フィットの科学的な解析に基づき、無理なくハンドファーストを習得するための正しい腕の使い方と、自宅でもできる練習ドリルを解説します。

ハンドファーストとは

ハンドファーストとはインパクトでヘッドよりも手元が先行した状態のこと。ハンドファーストで打てるとインパクトロフトが立ち、強い球が打てるようになります。逆にインパクトで手元よりヘッドが先行した状態のハンドレイトは球が弱く、様々なミスへと繋がります。

ハンドファーストのスイング解析

ハンドファーストの形で打てるゴルファーのスイング解析を行うと、ある特徴が見られます。それはインパクトでグリップスピードが減速しています、つまり正しい腕のローテーションができているという事になります。 下記写真はハンドファーストで打てるプロゴルファーとハンドレイトのアマチュアゴルファーのシャフト解析になりますが、黄色丸の数字はグリップスピードの最大速度と最小速度を計測しています。ハンドファーストのプロはグリップスピードが減速しているのに対して、ハンドレイトのアマチュアゴルファーはグリップスピードが減速せず、等速に動いていています。ハンドファーストは形だけみると手が先行しているように見えるのですが、実は正しい腕のローテーションの結果としてハンドファーストの形になるのです。逆にグリップスピードが減速しないとパターのような打ち方になり、ハンドレイトのインパクトになってしまうのです。

正しくハンドファーストで打つためのポイント

それではハンドファーストに打つにはどうすれば良いか？　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　インパクト付近の正しい腕のローテーションを覚える必要があります。間違った腕のローテーションはいわゆる手打ちになりますが、正しい腕のローテーションはグリップスピードを減速させてハンドファーストの形を作ることでインパクトロフトが立つようになり、飛距離アップに繋がります。ハンドファーストの形だけ真似して手元を先行させてしまうと球が捕まらなくなり、スライスやシャンクのようなミスが多発してします。ハンドファーストは、インパクト付近で正しい腕のローテーションを行った結果として生まれる形なのです。

ハンドファーストに打つための正しい腕のローテーション

インパクト付近の正しい腕のローテーションは左右の前腕の回旋で行います。左右どちらの前腕を意識したら良いかは、グリップの向きで判断すると良いでしょう。スクエアグリップ（ウィーク気味）の方は左前腕の回旋を、フックグリップ（ストロング気味）の方は右前腕の回旋を意識すると上手くいくケースが多いです。また両方を試してイメージしやすい 方を意識しても良いと思います。

正しい右腕のローテーション

フックグリップ気味の方はウイークグリップの方に比べてインパクト付近のローテーションは 少ないので右前腕の回旋（内旋）を意識すると良いでしょう。ただローテーションというと手を返すイメージの を思い描く方が多いと思いますが、実際はわずかな前腕の回旋です。イメージは返すのではなく右前腕の回旋でロフトを立てる感じです。まずはハンドファーストを体感してみましょう。下記写真のようにアイアンのシャフト中央付近を右手一本で持ちます。右手首のヒンジ角をキープして右前腕をロフト角を立てるように回旋（内旋）してください。わずかな右前腕の回旋でロフト角が立つ感じが体感できると思います。ハンドファーストで打つというのはこの感覚です。

正しい左腕のローテーション

ウィークまたはスクエアグリップの方はローテーションをしっかり行う必要がありますので、左前腕の回旋（外旋）を意識すると良いでしょう。ハンドファーストで打つための左腕のローテーションの重要ポイントはハーフフォローで左手の平が自分の方を向くように回旋させることです、逆にハーフフォローで左手の甲が自分の方を向いているとハンドレイトのインパクトになってロフトが寝て弱い球になってしまいます。ハーフフォローで左手の平が自分の方を向くように左前腕を回旋（外旋）してみてください。結果的にインパクトでは左手の甲が掌屈（張る）してハンドファーストのロフトを立てるインパクトになります。

正しくハンドファーストで打つための練習法・ドリル

団扇ドリル

団扇（うちわ）を使った体感ドリルをご紹介します。下記写真のように右手のひらで団扇の柄の部分を持ちながらクラブを握ります。ハーフスイングで左右どちらかの前腕の回旋をイメージしながらゆっくりと素振りしてみてください。インパクトで団扇の裏面が見えて、なおかつ左手甲が掌屈しているのがわかると思います。このインパクトの形が腕のローテションで作られる正しいハンドファーストの形です。ゆっくりと何度もハーフスイングの素振りをして、ハンドファーストのインパクトの形を覚えましょう。

下半身を使ったドリル

このドリルは下半身のリードと腕のローテーションを繋げていく、実際にボールを打つドリルになります。9番アイアンを使用し、まずはボールの位置を普段のスタンス中央ではなく、左かかとのやや内側にセットします。ダウンスイングで左腰または左膝をアドレスの位置に捻り戻す動きで左に踏み込んでください（普段よりボール位置が左なので下半身を使えないとボールに届きません）。踏み込んだら左右どちらかの前腕を回旋させてボールを打ちます。最初はハーフスイングから徐々にフルスイングにしてボールを打っていきます。「左下半身を踏み込んだら前腕を捩じり戻す」この動きに意識を集中してボールを打っていきます。下半身が使えないとトップしたり左にフックしたりします。ストレートに出て軽いドローボールが出るようになると、ロフトが立ち、ハンドファーストに打てている証拠になります。

まとめ

ハンドファーストに打てるようになると、ロフトが立ち、ボール初速がアップして飛距離が出るようになります。ただし、形だけを意識して手を先行させ、ハンドファーストを作ろうとすると、スライスやシャンクなどが多発してスイングの迷路にはまります。ハンドファーストとは正しい腕のローテーションが行われた結果として生まれる形なのです。ダウンスイングでは、左腰と左膝をアドレスの位置へ捻り戻すように踏み込み、ハーフダウン以降では左右の前腕を回旋させます（手を返すのではなく、前腕の回旋によってロフトをやや立てる感覚）。こうした動きができるようになると、自然にハンドファーストの形が作られるのです。

今回ご紹介した「腕のローテーション」やドリルは非常に効果的ですが、実は「自分ではできているつもり」になりやすい動きでもあります。

自分の感覚と、実際の動きにはどうしてもズレが生じます。間違った形のまま練習を続けて変な癖をつけてしまう前に、一度ご自身のスイングを数値で「見える化」してみませんか？PRGR サイエンス・フィットでは、最新の測定・解析機器を使って、あなたのインパクトの状態を精密に計測します。「なぜハンドファーストにならないのか」の本当の原因を知ることが、上達への最短ルートです。
ただいま、スイング強化キャンペーン「ティーチングコース3回＋ショートゲームレッスン」を実施中です！最短距離で、レベルアップ・飛距離アップを実現します。以下より是非チェックしてください。